ホーム » 目的・活動内容

・SPring-8に新ビームラインBL36XUが完成・竣工式典(2012.12.26)

・燃料電池XAFSプロジェクトの目的と現状[PDF]

目的・活動内容

目的

NEDO((独)新エネルギー・産業技術総合開発機構)プログラム「固体高分子形燃料電池実用化推進技術開発/基盤技術開発/MEA材料の構造・反応・物質移動解析」のサブテーマ「時空間分解X線吸収微細構造(XAFS)等による触媒構造反応解析」を推進することを目的としています。

背景と経緯

燃料電池は「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」の中で2050年に世界のCO2排出量を半減する上での重要技術と位置づけられ、 新成長戦略(2009年12月閣議決定)の中でもその重要性・必要性について言及されています。 また、総合科学技術会議のアクション・プラン(平成22年7月8日)の中で、 新成長戦略を実現するための平成23年度科学・技術重要施策(計8つの施策群)の中のエネルギー利用の省エネ化の中で燃料電池が取上げられています。  文科省においても、「科学技術白書」(平成22年度版)の中で、将来社会を支える科学技術の予備調査(平成22年3月)において、 今後重要な期待される研究分野・テーマとして、グリーンイノベーション関連の温室効果ガス排出量緩和技術として燃料電池技術を取上げており、 大いに期待しております。 燃料電池の中でも、固体高分子形燃料電池は、高出力密度、低音作動等の特徴を生かした燃料電池自動車、 定置コージェネレーションシステム、可搬電源、情報機器用電源等としての普及が期待されています。 我が国は、家庭用燃料電池を世界に先駆けて商用化する等、着実に固体高分子形燃料電池に関する研究成果をあげてはいるものの、 2020-2030年の燃料電池自動車の本格的商用化に向けて、或いは、我が国の国際競争力強化の観点から、耐久性・信頼性の向上に加え、 低コスト化など、燃料電池技術開発は我が国が解決すべき喫緊の社会的最重要課題の一つと位置づけられています。 燃料電池次世代技術開発のブレークスルーのためには、 これまでの方法論の単なる延長ではない燃料電池触媒システムの根本原理に立ち返って理解する必要性が認識されています。 資源・エネルギーに乏しく、環境問題が迫る我が国の社会的要請と背景に基づき、電気通信大学は、 社会的最重要課題の一つである燃料電池次世代技術開発とそれによる我が国の産業の活性化を今後の重要な使命と位置づけております。 使命実現の方策の一つとして、技術研究組合FC-Cubicを代表機関として、自然科学研究機構分子科学研究所および北海道大学と共同で、 NEDO「エネルギーイノベーションプログラム」の一環として実施される固体高分子形燃料電池実用化推進技術開発に応募しました。 その共同提案が4月28日付けで採択され、実施に移すこととなりました(約35億円/5年予定)。 そこで、プロジェクト推進のため、また、本学での燃料電池研究教育の拠点として、本年5月1日に「燃料電池イノベーション研究センター」を設置いたしました。 本センターは、SPring-8に放射光を用いた世界最先端の「先端触媒構造反応リアルタイム計測ビームライン」を新たに建設し、 これを用いて燃料電池触媒の構造変化と電子状態変化、触媒の溶出・劣化現象、電極触媒表面の電気化学反応機構、 触媒表面とアイオノマーの結合様式、触媒毒の作用などの解明を行って、 高活性・高耐久性の固体高分子形燃料電池用触媒開発の具体的指針を提示することにより、 次世代燃料電池自動車の普及・実現を図ることを目指します。本センターでは、新ビームライン建設(SPring-8)、 ビームラインの技術面での維持管理、ビームラインを用いた燃料電池XAFS(XAFS: X線吸収微細構造)研究、 各種分光法・解析法による燃料電池触媒研究、シンポジウム/講演会/研究会開催、成果公開、 分担研究拠点との連絡・調整、電通大XAFSプロジェクト分室(SPring-8)管理運営、マネージメントなどを行うことにしています。 新ビームラインは23年度末に完成し、平成24年後半に本格運用を開始する予定です。 燃料電池イノベーション研究センターの設置により、燃料電池研究開発が格段に進み、燃料電池自動車の普及・実用化に向けて、 我が国が世界を先導する立場を築き、力強い日本の構築に貢献することが期待されます。

なお、センター設置期間、スタッフ等は以下のようになっています。

センターの設置期間

平成22年5月1日~令和7年2月28日

センターの設置場所

F棟オープンラボ301号室

代表者(センター長)

岩澤 康裕 特任教授

スタッフ

岩澤 康裕 電気通信大学燃料電池イノベーション研究センター長・特任教授
宇留賀 朋哉 電気通信大学燃料電池イノベーション研究センター・特任教授(JASRI)
三輪 寛子 (兼)燃料電池・水素イノベーション研究副センター長 共通教育部/基盤理工学専攻 ・准教授  
佐々木 岳彦 客員教授(東京大学大学院新領域創成科学研究科・准教授)
吉田 健文 客員教授(和歌山大学システム工学・准教授)  
関澤 央輝 客員准教授(JASRI)
金子 拓真 客員研究員(JASRI)
東 晃太朗 客員研究員(JASRI)

活動内容

新ビームライン建設(SPring-8)、ビームライン管理、ビームラインを用いた燃料電池XAFS研究、各種分光法・解析法による燃料電池触媒研究、 シンポジウム/講演会/研究会開催、成果公開、分担研究拠点との連絡・調整、電通大XAFSプロジェクト分室(SPring-8)管理運営、マネージメントなどを行います。

期待される成果等

放射光からのX線をプローブに使用する革新的XAFS測定ビームラインを用いた時間分解、空間分解、深さ分解XAFSにより、相補的な触媒解析情報 を合わせ、燃料電池触媒の構造変化と電子状態変化、溶解現象、電池作動時における電極触媒表面の電気化学的反応機構,触媒表面-アイオノマー結合様式、触 媒毒の作用を解明し、高活性・高耐久性燃料電池触媒開発の具体的指針を提示します。 それにより次世代燃料電池自動車の普及・実現が図られることが期待されます。

 

ページトップへ戻る